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大阪市 住まいのガイドブック あんじゅ

朝日温泉 (住吉区) 地域で子どもを見守り育てる、楽しい風呂屋教育

 暖簾をくぐると、子どもたちの元気な声。今日は、毎月第1・第3日曜に、『朝日温泉』で行われている『こども銭湯』の日だ。この日は、子どもだけで風呂に入れる。ロビーでは、若大将の田丸正高さんが、集まった子どもたちに風呂の入り方を面白おかしくレクチャーしている。話を聞いた後は、早速風呂へGO。風呂の後は、フロントにみんな集まる。何十種類もの駄菓子の中から100円分を自由に選べるのだ。2018年2月から始めたこの企画は、約1年間で延べ数約600人が参加している。運営費は、投げ銭制。これまでに合計約28万円が有志から集まっている(※2019年11月現在)。

 

フロントでお菓子を選んでいる、お姉ちゃんと一緒に、9回こども銭湯に参加している小学1年生の女の子。

 

毎回、10~20人の子どもたちが参加している。左奥が田丸さん。

 

 発起人である田丸さんを後押しするように、『こども銭湯』では、親御さんや近所の人がボランティアで手伝っている。自発的に「一緒にやろかー?」と自分ごとになって参加できる。過去にも、地域の人と一緒に、約4000人を集めた風呂屋イベントを開催したこともある。人が集まりやすい環境が、自然と生まれている場所なのだ。

 

 「子どもたちのニコニコ笑顔を見られた時が、やっぱり最高やね!」と田丸さん。経営が大変だからと親に反対されたが、風呂屋が好きだという熱い想いで、3代目として25歳で店を継いだ。「風呂屋は自分が子どもだった頃の遊び場。楽しかった原風景を、大人になった今再現している感覚です。今日きてくれた子が大人になり、家庭を築き、また自分の子どもを連れてくるというサイクルが目標。実は20年計画なんですよ」と大きく笑う。見えているのは常に、あの頃の原風景。楽しい風呂屋での体験が広がっていけば、きっと未来にも風呂屋は残っていくだろう。

 

参加する子どもたちのほとんどが、近所に住む。徒歩か自転車で訪れる。

 

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