ページの先頭へ
大阪市 住まいのガイドブック あんじゅ

ideau (平野区)ママも子どもも活き活きと、地域と繋がり合う

 

大阪市平野区にある空き家となった長屋を再生した「ぐるぐるそだつながや」内に、シングルマザー限定のシェアハウス「ideau」はある。「ぐるぐるそだつながや」は、元々路地を挟んで建っていた南棟6軒と北棟4軒の築50年を超える長屋を改修し、南棟が家族向け一般賃貸住宅3軒と、シェアハウス(5部屋)に、北棟の半分がシェアキッチン、レンタルス

ペースに生まれ変わった。

「親子がワイワイと集えるような場所をつくりたいという夢があった」とideauの発起人兼住人である安田委久美さん。そんな時SNSで見つけた、生野区の空き家マッチングカフェで、ぐるぐるそだつながやの大家である綿谷茂さんに出会った。綿谷さんは、平野区の空き家相談会で出会ったコンサルタントや建築士と共に長屋の再生の取組を進めている最中だった。「地域が繋がりを持てる居場所づくりをめざしたい」という綿谷さんの想いに共感し、現在、ideauの運営を担う株式会社 Peace Festa代表の越野健さんと安田さんも取組に加わることとなった。

今、敷地内では子どもが元気に走り回り、イベントスペースを使って、子ども向けのプログラミング講座やハロウィンパーティなど様々な催しが行われている。住人やママ友だけでなく、建物にある掲示板を見て地域の人たちも足を運び、習い事など子育て情報の交換が行われている。そんな様子を喜んでいるのは、綿谷さんだ。父の代から引き継いだ長屋。当時は駄菓子屋やクリーニング屋などもあり、賑わいを見せていたが、全室空き家となった時、ふと当時の賑わっていた長屋の姿を思い出したそう。「近くに大和川がある。氾濫に備えた防災の観点でも、こういう場所で育まれるゆるやかな地域の繋がりが必要なのではと感じている」と綿谷さん。

こうして、シングルマザーがシェアハウスの中だけでなく、地域とも繋り合うという新しい形のシェアが生まれた。「今後は、前職の人材サービス会社での経験を活かして、シングルマザーの就労支援に力をいれていきたい」と安田さんは笑顔だ。自分らしい生き方を実現するため、さらなる夢に一歩を踏み出している。

 

「ideau」各部屋のトイレと浴室。共有の場合が多い中、大家の綿谷さんが、住人の要望に応えて設置した。

 

大家の綿谷さんご夫婦が開く自家焙煎珈琲店には、地域の人が集まる。シェアハウスの状況を地域に伝える媒介役として一役買っている。

 

イベント時には、子どもたちが走り回る風景が見られた。