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大阪市 住まいのガイドブック あんじゅ

大人も子どもも学び楽しむ! まちへの誇りを育む建築フェスティバル

生きた建築ミュージアム大阪実行委員会 (中央区)

地域文化資源を活用し、建築物を一斉に公開する事業、いわゆる「オープンハウス」が各都市で取り組まれているが、日本最大のイベントが、大阪で開催されている。

2021年秋で8年目となる、生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪(通称:イケフェス大阪)は、「生きた建築」の概念のもと、近代建築のみならず、現代の建築まで大阪の魅力的な建築物が、2日間無料で公開される回遊型イベントだ。

2019年は、建物を公開する企業・団体が169件。一般参加者は延べ数約5万人で、大阪市民と大阪府民が3分の2を占めている。

 

1.竹中工務店の御堂ビルで、社員が参加者へ解説する様子。 2.実行委員会事務局長の髙岡伸一さん(近畿大学准教授)。 3.ダイビル本館では、ダイビルの社員とテナントで入居する大林組による子ども向けワークショップが行われた。 4.大阪ガスビルで、社員が参加者へ解説する様子。 5.イケフェス大阪の中でも人気の公開建築のひとつ、大阪市中央公会堂。
1.3.4.5(過去のイケフェス大阪の様子)の撮影:西岡潔

 「建築は大阪の歴史、文化、市民の暮らしぶりという都市の営みの証。『生きた建築』を通して、まちを愛する心を育てたい」と、実行委員の髙岡伸一さん(近畿大学准教授)は話す。

まちへの愛着を育む上で欠かせないのが、その土地に暮らす人々の意識の底上げだ。建物所有者自身が、参加者の反応を通して、所有する建物の価値に気づくという効果も出ているのだそう。

 

当日の案内は、所有者におまかせというスタイルも功を奏している。大阪ガスビルなど、企業が所有する建物では、社員が参加者に案内することで自社の建築について改めて学ぶ機会にもなっている。

 

6.大阪弁護士会館でのガイドツアー。 7.実行委員が制作した、子どものための建築の本「はじめての建築01大阪市中央公会堂」。 8.子ども向け建築体験ツアーでは、建築史家の倉方俊輔さんが解説する。
6.8(過去のイケフェス大阪の様子)の撮影:西岡潔

そして近年力を入れているのが、子どもたちへの教育だ。イベント期間中に、小学生対象のまち歩きツアーやワークショップを実施したり、2021年に子どものための建築の本を出版するなど、未来を担う若者に向けてメッセージを発信している。

 

2020年はオンライン開催となったが、国際組織『Open HouseWorldwide』に参加する世界の43都市との同時配信に初参加。世界とのコラボレートが、コロナ禍により、期せずして実現することとなった。

「今後は、見られる建築とエリアをさらに広げたい。まちを舞台に人と人が関わり合い、大阪のまちを後世に繋ぐ、ひとつのつなぎ目になりたい」と髙岡さん。

 

アフターコロナに向けて、新たな動きを感じさせるイケフェス大阪。今年の開催も楽しみだ。

 

OPEN HOUSE OSAKA¦生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪2021

日時:2021年10月30日(土)・31日(日)

※オンラインプログラムを中心に開催します。詳しくはこちらから