
あんじゅ103号特集
大阪の近代集合住宅のはじまり
大阪は近世から商都として発展し、多くの人口を抱えてきました。明治から大正期には近代化が急激に進み、人口がさらに増加。日清戦争の頃には紡績業が発展し、「東洋のマンチェスター」と呼ばれ、大正末期には「大大阪」時代を迎えました。
発展とともに顕在化したのが、都市問題でした。住宅不足や住環境の悪化を改善するため、大正時代の初期から大阪市はさまざまな住宅政策に取り組みました。鉄筋コンクリート造の集合住宅や月賦制の分譲戸建住宅を建設し、中には名住宅と呼ばれる近代集合住宅も生まれました。
大阪市の住宅政策やその背景について、また名住宅と呼ばれた特徴的な住宅について京都大学の中嶋節子さんに聞きました。