大阪の文明開化は旧大坂三郷の東と西から始まりました。西は慶応4年（1868）につくられた川口の外国人居留地。東は明治4年（1871）に天満川崎の地に完成した造幣寮で、イギリス製の貨幣鋳造機械を導入し、近代工業のさきがけとなりました。やがて、市中には人力車が走りはじめ、高麗橋、新町橋に続いて明治6年（1873）には心斎橋が木製から鉄橋に架け替えられました。さらに明治７年（1874）には大阪～神戸間に鉄道が開通。初代大阪駅の駅舎は赤煉瓦造りの2階建て洋風建築で、梅田ステンショの名で親しまれました。

明治45年（1912）に開業した一大歓楽地「新世界」。そのシンポルタワーであった通天閣と遊園地ルナ・パークを再現しています。ここではエッフェル塔と凱旋門を模した初代の通天閣の姿を見ることができます。

毎年7月24日、25日に行われる天神祭は、大阪で最大の都市祭礼のひとつです。この模型では、大正10年（1921）に描かれた絵巻「夏祭船渡御図」をもとに、当時の様子を再現しています。

昭和2年（1927）に描かれたイラストをもとに、心斎橋のおしゃれな町並みや表情豊かな店構えを再現。モボ・モガ（モダンボーイ・モダンガールの略。当世風の男女を意味する昭和初期の造語）が闊歩したファッション最先端の街の様子です。

明治45年（1912）、大阪の堺筋は市電を通すために、道幅3.3間（約6メートル）から12間（約22メートル）に拡幅されました。道路の両側には、近代的なビルや近代町家が建ち並び、都市景観は大きく変わりました。この模型は、大阪のメインストリートとして大阪の幹線道になった昭和7年（1932）の北船場の町並みを1/100のスケールで再現しています。

大正14年（1925）の「大大阪」誕生とともに新しく市域に編入された新市街地は「大大阪新開地」と呼ばれました。新市域では、土地区画整理事業によって宅地が開発され、そこに長屋建の貸家が建てられました。この模型では、昭和10年（1935）頃の大大阪新開地の風景を見ることができます。伝統的な和風長屋に加えて、邸宅風の長屋や洋風のモダンな長屋の町並みを1/50のスケールで再現しました。

路地と長屋の町としても知られている空堀通は松屋町筋から東に１キロほどつづく商店街です。この一帯は江戸時代中頃から市街化し、明治時代には商店街になっていました。一見すると江戸時代からの町並みが残っているようですが、昭和戦前期らしい建物も建っています。この模型では、昭和13年（1938）の空堀通の町並みを1/50のスケールで再現しました。

第二次世界大戦の空襲で焼け出された人々の救済のために建設された仮設住宅のひとつに、廃車になった木炭バスを利用したバス住宅があります。旭区豊里町には、バスをメガネ形に配したバス住宅がつくられました。家賃が安く、隣近所のつながりも深かったことから住み続ける人も多く、城北バス住宅は昭和26年（1951）まで存続しました。

昭和28年（1953）から建設がはじまった城東区の古市中団地は、計画的な大阪市営住宅団地です。水洗トイレやバルコニーが備え付けられるなど、新しいライフスタイルの住宅として注目を浴びました。