概要
近年「古民家再生」という言葉が広く認知されるようになりました。レトロブームや自然志向と相まって、古い木造家屋をリノベーションした古民家カフェや古民家ホテルなどが人気を集めています。都市部では戦前の木造長屋をオフィスとして活用する例もみられ、多様な再生・活用の可能性が示されています。そうしたなか、近年は店舗や商業施設ではなく、「住まい」として修復し、そこで暮らす「古民家暮らし」が関心を集めています。
「古民家暮らし」という言葉から想起される「古びた柱、梁、土壁などの自然素材に囲まれた温かみのある空間」や、「手作りの家具や生活道具を使い、自然と共生する丁寧な暮らし」のイメージは慌ただしい日常を送る私たちを強く惹きつけます。
本展は、大阪の代表的な建築やまちの景観を数多く描いてきたイラストレーターの綱本武雄氏が、親族から相続した築およそ140年の空家を修復、再生し、自宅として暮らし始める過程を同氏のイラスト作品により絵本仕立てで紹介します。作品に加えて、修復の各工程の写真や、修復を決意してから重ねてきた家族会議、資金調達、職人や工務店の検討、工事内容など、家を再生していく過程を詳細に記録したノート、軸組模型、工事に使用された道具類も展示します。
「直す」「つなぐ」「暮らす」をキーワードに、先祖から受け継いだ古い家を直すことで得た伝統的な建築技術の知識や体験、専門家や技術者、地域社会といった幅広い人たちとの交流にも着目し、古民家を直す楽しさ、古民家に暮らす豊かさを伝えます。
関連イベント (詳しい情報・申し込みについては年末に公開予定)
■トークセッション
日 時 2026年年2月21日(土)
場 所 大阪市立住まい情報センター3階ホール 13:30~
講 演 綱本武雄氏 (イラストレーター/手しごと舎 種)他2名予定
■茅葺実演
日 時 2026年3月14日(土)
場 所 大阪市立住まいのミュージアム 8階ロトンダ
*実演終了後、4階住まいのライブラリーおよび住情報プラザに展示予定