◇ 企画展 ◇
大阪市立住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」では、令和7年11月8日(土曜日)から令和8年1月18日(日曜日)までの間、企画展「大阪の商人が支えた芸術文化-浅野家伝来資料より-」を開催します。
江戸時代の大阪では多くの商家が季節や行事にあわせた掛軸を床の間に飾り、住まいの空間を様々に演出していました。当時の大阪では特に文人書画や四条派の作品が好まれ、名品を鑑賞しあう茶会が盛んに開かれていました。茶会には船場の旦那衆や摂河泉の富裕層が参加し、彼らの交流を通じて大阪を中心とした一大文化圏が形成されていました。また、船場や摂河泉の富裕層は、絵師などのパトロンとして大阪の文化を支える存在でもありました。
そうした商家の一つであった浅野家は江戸時代の天保9年(1838年)に古市村大屋久兵衛より絞油道具と納屋を買い取り、油屋として開業しました。天保の改革から明治時代の初頭にかけて有力な商家として業績を伸ばす一方、将来的な綿作や菜種作の減少と米作の拡大を見越し、明治16年(1883年)には大阪府より酒造営業の鑑札を受け、以降は蔵元としても活躍しました。
本展で紹介する浅野家伝来の掛軸は、江戸時代の後期に京阪で活躍した絵師や書家の手によるもので、揃いの大きさと表具で仕立てられていることから、その多くが当時の浅野家当主の依頼により制作されたとみられます。またこれらの掛軸は単に同時代の作家による作品群ではなく、師弟の繋がりや文化人たちの幅広い交流の中で形成されたことが読み取れます。江戸時代が終わりへと向かう動乱期に大阪の芸術文化を支え続けた商家秘蔵のコレクションをご覧ください。
会 期:令和7年11月8日(土)〜令和8年1月18日(日)
休館日:毎週火曜日(9月23日は開館)、年末年始
詳しくは、ホームページをご覧ください。
☞「企画展「大阪の商人が支えた芸術文化-浅野家伝来資料より-」